タイトル: 運動不足を整え、動ける体を作る「コンディショニング」
外出自粛や在宅勤務が増えた昨今、運動不足を実感する人が急増しています。
運動不足を解消しようと急に運動を始めた結果、ひざや腰などを痛めてしまったという声もよく聞かれます。
コンディショニングとは、体のさまざまなマイナス要素を改善し、無理なく運動ができる状態を作ること。
コンディショニングの重要性や、具体的な体へのアプローチについて話していきます。
コンディショニングとは、ある程度体の状態が整っている人が、よりパフォーマンスを向上させるために行うイメージがあると思います。
多くの方が必要とするコンディショニングは、リハビリとコンディショニングのあいだに位置付けられます。
リハビリが終わって最低限体は動かせるようになった、あるいは治療には至らないものの体のどこかに不調がある。
そのような段階で行うのがコンディショニングです。
コンディショニングは、無理なく快適に体を動かすためのメンテナンスです。
思うように体が動かなかったり、姿勢のバランスが悪かったりしたとき、一般的には「筋力をつけなくては」と考えがちです。
コンディショニングでは基本的に、「筋力をつける」という考え方はありません。筋力とは、体を動かした結果ついてくるもの。
逆に言えば、体を動かせなければ筋力をつけることはできません。
では、どうして体が動かせないのかというと、脳から筋肉へ動きの指令がうまくいっていないからです。
手を上げるのも歩くのも、人の体はすべて脳からの指令によって動きます。
脳が正しい情報を送れないと正しい姿勢や動きができず、体を痛めてしまうことになりかねません。
コンディショニングでは、脳から正しい情報が伝達できるような状態にします。
そのために必要なのは、全身の感覚受容器に刺激を加え、さまざまな情報を脳にしっかりとインプットすること。
感覚受容器とはいわばセンサーのようなものです。
視覚や聴覚、触覚をはじめ、重さを感じる重量覚や、自分の体の部位がどこにあるか認識する位置覚、体の動きを感知する運動覚などがあります。
センサーがきちんと働き、正しい情報を脳にインプットできれば、アウトプット、つまり体の動きもおのずと変わってくるんです。
目や耳といった感覚受容器に適切な刺激を与え、それによって体の状態を整えていくコンディショニング。
一般的な筋力トレーニングとはまったく異なるアプローチですが、どのようなことを行うのでしょうか。
例えば、バランス感覚の向上を目指す場合、立った状態からわざと重心を前後左右にずらしてみます。
バランスをあえてずらすことで、体が正しい位置を認識できるようになるんです。
振動を加えたり、足元を不安定にしたりすることも、正しい感覚のインプットにつながります。
あとは、目の動きを改善するエクササイズもあります。昨今、長時間のデスクワークやスマートフォンが普及したことで、
過剰な『固定視(同じ場所を長時間見続ける)』の方々が増えています。そのような方々は目の動きが悪くなり、
首や背骨が回しづらくなって、肩こりや腰痛を引き起こしてしまう。目を動かすことが視覚への刺激となり、
結果的に体をうまく使えるようになるんです。
耳の場合、重要なのは平衡感覚に関わる耳石です。
耳の中にある耳石は、体が動いたときの傾きや加速度を感じとる役割があるのですが、
年齢を重ねるにつれて歩くスピードが遅くなる原因のひとつは、耳石が体の傾きや加速をきちんと感知できていないから。
コンディショニングでは、耳石の働きを促すために、エクササイズに少しスピードを加えたりして、感覚のインプットを行います。
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